BIG ISSUE KOREA コラム和訳集 SUGA編

BTS 翻訳

BTS SUGAは声高に話さない


原文はこちら
https://content.v.daum.net/v/EhEjQXFUKL


SUGAにハマったら、なす術がない理由

BTSのラッパーSUGAは声高に話さない。 その必要がないからだ。 彼には本能的に人を集中させる力がある。SUGAは変わってる。大邱生まれの彼は 「*来る途中に拾った」を擬人化した慶尚道の男のように見えるが、リアリティバラエティ番組でバーベキューパーティーをする度に、いつも自らトングを掴み、シェフさながらの見事な料理を弟たちに振る舞う。
*오다 추웠다/ 来る途中に拾った・・・本当はわざわざ買ったのに照れ隠しに使う一種のツンデレ用語

『TVに出て金の自慢すんのは、もはやいじらしい』 (All Night )
『南山洞の地下から今やペントハウス』 (저 달/moonlight )

とラップで成功をフレックスするが、10代の頃から自ら稼いだお金で、交通費は勿論MiDi装備まで買い、この世にタダ(無料)はないということを身をもって悟った者ならではの冷静な現実感覚を持つ。

ⓒHYBE

SUGAは本当に変わっている。
BTSのSUGAから始まり、2度のミックステープを発表したソロラッパーAgust D、IUの「eight 」などヒット曲を作曲したプロデューサーBy SUGAまで、なんと3つの名前で音楽を発表してすべて成功を収めたが、彼のエゴは淡白だ。口数も少ない。会話をする時は聞き役にまわる。しかし所信がはっきりしている人らしく達弁家であり、何事にも動じない人々がそうであるように、この世の全てをユーモアに変える能力がある。こうした予測できない姿に人々はSUGAから目が離せない。彼が声高に話さなくてもいい理由だ。
本当のどんでん返しは、彼が天性のアイドルという事実だ。’私のアイドル’は40歳になり60歳になってもファンにとって可愛い猫やウサギ、子犬、ひよこだが、彼は本当に猫のようだ。呼んでも来ない猫のように簡単ではない相手だが、私をほろりとさせる温もりのある存在だ。

SUGAは作曲家とラッパーとしてオーディションを受け、第2の*1TYM を目指して練習生生活を始め、’ひょんなことからアイドル’になった。しかし、誰よりもアイドルに本気だ。 「永遠にBTSをする」と自負心を持って働き、国家競争力を高めたK-POP産業の主役だが、蔑まれてきたアイドルファンに尊敬の気持ちを表現し続ける。自分の健康問題の為に日本の神戸で開かれる予定だったコンサートが延期されると、期待していたファンを傷つけたと自責し、休暇にその場を訪れたりもした。全てに対して無気力に見え冷淡な印象を与えるが、彼の明るい笑顔は、水道管が凍って破裂し、家主と長電話を終えた冬の夜の憂鬱な気持ちまでも*石村湖の桜並木に変える。

*1TYMは、1998年にYGエンターテインメントからデビューした韓国のヒップホップをメインとする4人組男性アイドルグループ。グループ名は「One time for your mind」の略である。 韓国アイドル界第1世代。-Wikiより

*石村湖蚕室ロッテワールド横の湖で桜の名所

ⓒHYBE

SUGAが天性のアイドルである理由は、マイクを握るだけで人の心をときめかせるからだ。 巨大なスタジアムのコンサート会場を圧倒する激しいラップをしながら、突然マイクを客席に向けても、聴衆が次の小節をすかさず歌えるほど没頭させる。成功に目がくらんだ新人アイドルだけが着てくれるファンサービス衣装を着て、爽やかに踊る姿を見せたりもする。 なのでファンたちは『ミン·ユンギにハマったらなす術がない。』 *..답(ミン・ッパ・ダプ)と叫ぶ。

*민.빠.답(민윤기에 빠지면 답이 없다)の縮約語
直訳:ミンユンギにハマったら答えがない

Agust D

10代から作曲を始め、ヒップホップクルーとして活動したSUGAは、デビュー当初、BTSで唯一ペースコントロールが出来るメンバーだった。 反抗的だが切実な目つきでカメラを見ながら、体が壊れるほど踊って歌っていた新人歌手のBTSは、印象的ではあってもカッコ良くはなかった。ガンガン迫めまくる舞台で、SUGAの余裕はBTSをもう少しプロらしく見せた。彼はBTSのバランスであり模範として、メンバーたちが各自の魅力を見出すまで舞台をリードした。SUGAには責任を取るべきことが多かった。BTSの現在の考え方や感情を音楽として作る方式が固有のものとなり、プロデューサーとしての彼の役割も次第に大きくなった。当時彼はアルバムを出しても放送出演が不透明な厳しい状況の中、1日中作業室に閉じこもって曲を書き、7人のメンバーが一緒に使う狭い寝室に戻り「明日は違うという信念」を抱いて眠りについた。この危なげで燦爛たる青春の物語を収めた曲「Tomorrow」(2014)は、BTSという名前を大衆に初めて刻んだ「花様年華」(2015)シリーズの原型と言える。

ⓒHYBE

2016年にはBTSに二つの事件が起きた。一つ目はメンバー全員が圧倒的にカッコ良くなったこと、二つ目はSUGAの初ソロミックステープ『Agust D』が発表されたことだ。2016年はBTSのキャリアが記念碑を建てるほどに最も成長した年だ。2013年にデビューし、2015年に音楽番組で初めて1位を獲得したが、2016年には単一のアルバム基準で最高の売上高を記録し、年末の授賞式で「今年の歌手賞」を受賞した。BTSは相変らずガンガン攻める舞台を披露したが、どう力を入れるべきか悟ったようだった。力み過ぎてアマチュアに見えていた姿は消えた。 受賞スピーチに立った舞台で、弟たちにとっていつも堂々と強いヒョンだったSUGAは、一番多くの涙を流した。

今やSUGAはBTSのバランスであり模範でなくても良くなった。ソロラッパーAgust Dの名前で発表した最初のミックステープで、彼は不良で均衡が崩れた内面を暴露した。「言いたいこと」 と 「言えないこと」 の壁を崩し、人生で一度だけしか出来ない、行き場のない激しい怒りを爆発させ、空前絶後のマスターピース(傑作)を完成させた。舞台で余裕を見せていたBTS SUGAの姿は影も形もなかった。こんな音楽が収録されるとは誰も想像出来なかった。依頼者のニーズに合わせて商業的成功を目指して作曲するというプロデューサーBy SUGA のアイデンティティは近年形成されたものではない。彼は最初からBTSのSUGAがすべき音楽を自分に依頼した。

そして2020年、4年ぶりに彼が2本目のミックステープ「D-2」を発表した。その間BTSはもっとカッコよくなり、SUGAは対人忌避症と鬱病で精神科の相談を受けた過去を後に、誰かの役に立ちたいと心理カウンセラーの勉強を始めた。最善の防御として攻撃を選んだ一つ目のミックステープと違い、二つ目のミックステープは不安(moonlight)から始まり、後悔(dear my friend )で終わる。
『人々は変わる。俺も変わったように。この世に永遠なものはなく、すべて通り過ぎるハプニング』(people)と言いながら、揺れ動く人生を冷静に観察する。最初のミックステープ「Agust D」は独白だったが、「D-2」では彼は世の中に語りかける。SUGA とAgustDの境界が多少曖昧になり、ミン·ユンギという一人の創作者がより鮮明になったことも分かる。 タイトル曲の「大吹打」はBTSのアルバムに入れても違和感がなく、BTSのアルバムに収めたSUGAのソロ曲「Interlude: Shadow」はAgust Dのミックステープに収めても違和感がないようにみえる。それ故、彼はBTSのSUGA、Agust D、プロデューサー「By SUGA」の3つの名前で音楽を発表する。 クレジットや形式の違いに過ぎず、すべてミン·ユンギの音楽だ。

SUGA は夢を全て叶えたと語った。 運が良かったのではなく、インディアンの雨乞いのように、彼が叶えるまで立ち止まらなかったからだ。 そうして彼は今年三十歳になった。休まず走ってきた煌びやかで熾烈だった彼の20代にお疲れ様と言いたい。 そして祈りたい。

あなたの明日に平凡な幸せがより多いことを..
しゃがみ込んでしまいたいある日、誰かに愛されているという事実があなたを立ち上がらせるように..
立ち上がらなくても大丈夫なように..
そして今夜安らかに眠れますように..


文 チェ·イサク 和訳 bangtan lab /ヨンファ

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